ECサイトの構築にかかる費用相場とは?プラットフォーム別構築費用を解説
2020/12/23(2023/09/21)
ECサイトを自社で運営したいとき、気になるのが構築や運用にかかる費用です。
いったい相場はどれくらいなのか、どんな方法で構築するのかについて解説します。
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【構築方法別】ECサイトの制作・運用費用の相場と特徴
ECサイトの構築には、大きく分けて5つの方法があります。
それぞれの方法によって構築や運用にかかる費用が異なり、カスタマイズ性も変わってくるのが特徴です。
まずは、それぞれの構築方法について見てみましょう。
<構築方法別の費用・カスタマイズ性の目安>
構築方法 | 構築費用 | 運用費用 | カスタマイズ性 |
ECモール | 0~10万円 | 出店料・ロイヤリティが発生 | 低 |
ASP | 0~100万円 | 数千~数万円 | 中 |
オープンソース | 100万~500万円 | 数千~数百万円 | 高 |
パッケージ | 500万円~ | 数万~数百万円 | 高 |
フルスクラッチ | 数千万円~ | 数十万円 | 高 |
ECモール
最も手軽に構築できるのが、ECモールです。
ECモール型ではいわゆる、「Yahoo!ショッピング」や「楽天」のような大型のモール型ECサイトに出店して販売します。
構築・運用費用の相場
ECモール型は自分でシステム開発を行わずに済むので費用が安く、個人でも気軽に出店できます。
初期費用としては10万円以内で十分ですが、デザイン・商品登録などの外注費で追加費用が生じるケースも。
また、出店料や、商品が売れたときモール側に支払う手数料などが永続的にかかります。
ECモールの特徴
ECモール型は値段が安い分、いざというときに撤退するのも容易で、初めてのECサイトで続けられるかわからない場合や、お試しで使ってみたい場合におすすめの方法です。
運営側の用意したシステムにのっとって利用するため、カスタマイズ性はほとんどありませんが、逆に言えば自分で準備するものは最低限で済みます。
ASPタイプ
次に、自社で手軽にECサイトを持てるASPについてご紹介します。
ASPは「Application Service Provider」の略称で、MakeShopやfutureshopが有名です。
構築・運用費用の相場
ASPは、自社でECサイトを作る方法の中では、最も安く作れるのが魅力です。
費用はだいたい10万円から、高くても100万円ほどで制作できます。
さらに費用を抑えたいのなら、初期費用0円のシステムを利用する手もあります。
運用にかかるランニングコストも少なく、安ければ月額数千円、高くても数万円程度で維持できるのが特徴です。
個人経営のお店のように、予算に限りがある場合にも向いています。
ASPタイプの特徴
ASPは、いわゆるテンプレートやレンタルシステムを使った構築方式です。
デザインやシステムはあらかじめ用意されており、その中から選択したり、一部をカスタマイズしたりしてECサイトを構築します。
そのため、他の手段よりも短時間でECサイトを公開可能です。
管理や運用についてもシステムを提供してもらえるため、知識があまりない人や、初めてECサイトを作る人でも続けやすいでしょう。
一方で、テンプレートを使うレンタル式であることから、他のECサイトと似通ったデザインやシステムになり、個性を出すのが難しいというデメリットもあります。
オープンソースタイプ
オープンソースは、ECサイトのシステム開発に関して専門的な知識がある場合におすすめの方法です。
構築・運用費用の相場
オープンソースは、自社でECサイトを持つ方法としては2番目に費用が安く済みます。
構築費用の相場は100万~500万円です。
一方、運用にかかる費用はどんなサイトを作るかによってかなり変わり、安ければ月額数千円で済みますが、内容次第で数百万円かかる場合もあります。
オープンソースタイプの特徴
オープンソースは、文字通りオープンソースとして無料公開されているプログラムを利用してECサイトを作成する方法です。
あらかじめ有用なソースコードが公開されているため、自分で一から開発する必要がなく、必要な部分は自由にカスタマイズして使用できます。
ただし、無料のソースを使うこともあって細かいサポートを受けられないため、運用途中でリニューアルしたくなった場合や、不具合・障害が起きた場合なども自分で対処しなければなりません。
構築の知識や経験がないと難しい構築方式です。
パッケージタイプ
オリジナリティのあるECサイトを作りたいときにおすすめなのが、パッケージ型の構築方式です。
構築・運用費用の相場
パッケージタイプは後述するフルスクラッチ方式ほどではないものの、自由度が高い分費用が高めです。
制作費には最低でも500万円以上を見積もりましょう。
運用にかかる費用も、月額数万円~数百万円とやや高価です。
パッケージタイプの特徴
パッケージタイプは、ECサイトを構築・運営していくのに必要なシステムや機能を、開発会社が文字通りパッケージして販売するものです。
普段は専用のソフトウェアを通して、ECサイトを構築・管理運用します。
ASPと違い、ある程度オリジナル性のあるECサイトを作れるのが特徴で、中規模~大規模なECサイトでもよく使われています。
カスタマイズ性が高く、コストをかけさえすれば独自のシステムも作れるのも魅力です。
ASPよりも自由度が高く、オープンソースと違って運営サポートが充実しているので、「テンプレートは使いたくないが、オープンソースで構築できるほどの専門知識がない」ときに向いています。
フルスクラッチタイプ
フルスクラッチは、システムやデザインなど、あらゆる内容を一から自由に作れる構築方式です。
いわゆるフルオーダーメイドと思って差し支えありません。
構築・運用費用の相場
フルスクラッチは、あらゆる構築手段の中で最も値段が高くなります。
システム開発にかかるコストが莫大なため、構築にかかる総額は最低でも数千万円、高いと億単位の費用が必要です。
また、運用していくにも、毎月数十万円の維持費がかかります。
そのため、個人経営のお店や中小企業でフルスクラッチ方式のECサイトを構築するのは難しいでしょう。
潤沢な資金とや、社内で専門の人材を用意できる、大企業向けの方法です。
フルスクラッチタイプの特徴
フルスクラッチはすべてのシステムやサーバーなどを自社で用意するため、オリジナリティに富んだ本格的なECサイトを作れます。
技術的な制約が一切ないため、欲しい機能をすべて盛り込んだシステムを持てるのが特徴です。
また、サイトを立ち上げてからの変更や機能の追加も自在にできます。
その代わり、システム開発からはじめるので制作や公開、運用までには膨大な期間が必要です。
ECサイトの構築にかかる費用の内訳
ECサイトの構築にかかる金額は、内容次第で安ければ数万円、高いと数億円と驚くほど幅があります。
いったいどんな内訳になっているのか、どのコストが最も圧迫しているのか見てみましょう。
プラットフォームの導入費用
ECサイトを制作する上で、主にかかるのがプラットフォームの導入費用です。
最低限必要な「商品を表示する機能」「注文に使うカート機能」「商品の登録など在庫管理をする機能」などの他、独自の機能を付け加えれば付け加えるほど、開発・人件費を中心に価格が膨れ上がります。
ASPやフルスクラッチなど、手段による構築費用の差は、主にこのシステム費用が原因です。
どんなシステムを、いくつ開発するかで、価格はまったく異なります。
デザイン費用
次にかかるのが、デザイン費用です。
ECサイトのトップページや各商品ページの構成など、ユーザーがダイレクトに見る部分で、アクセスしたときの第一印象やリピート率などにも関わります。
また、PCとスマホ両方で閲覧できるレスポンシブ対応にするのもデザインの仕事です。
プロのWebデザイナーに依頼する場合、価格は規模にもよりますが、最初のコンセプトワークやワイヤーフレームの決定に50万円、トップページや商品ページなど具体的なページのデザインに70万円、コーディングに60万円ほどを目安としましょう。
その他
実際の商品登録まで任せる場合は、その費用も必要です。
商品の写真や、商品紹介の文章などを1つ1つ入力・アップロードするため、商品数次第で費用は増えていきます。
一般的なECサイトでは5万~20万円が目安です。
ただし、商品写真の撮影をプロに依頼したり、文章をライターに依頼したりする場合は、別途その費用もかかります。
他にかかるのは、運用前のテスト費用です。
検索にヒットしやすいようSEO対策など各種設定を行ったり、デザインを微調整したりします。
テストは簡単に済ませるか、本格的に行うかでだいぶ費用が変わりやすいです。
安ければ20万前後、高いと80万円ほどかかります。
まとめ
ECサイトの構築は、構築費用の安い順に、ECモール、ASP、オープンソース、パッケージ、フルスクラッチの5つの手段があります。
カスタマイズ性やオリジナル性が高いほど、価格も高くなるのが特徴です。
個人経営の場合はECモール型や数万円から気軽に始められるASP、本格的なサイトを運営する場合はパッケージやフルスクラッチ、専門知識に長けている場合はオープンソースなど、構築手段を使い分けましょう。
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