WEBサイトの著作権って?「知らなかった!」じゃ済まない知っておくべきこと
2021/10/26(2024/10/04)
WEBサイトの作成を外注したとき、著作権はお金を支払った側にあると思っていませんか?
しかし著作権は、支払う側ではなく、作成した側にある権利なのです。
また、WEBサイトに使用されている写真や画像、動画や音楽にも著作権があります。
このことをよく理解しておかなければ、著作権法に引っかかってしまうことがあるかもしれません。
まずは「著作権法」がどのようなものなのか、きちんと理解することからはじめていきましょう。
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WEBサイトにおける著作権の考え方
まずは、著作権がどのようなものであるのか理解しておかなければ、知らず知らずのうちに誰かの著作権を侵害しているかもしれません。
著作権の理解を深めておくことで、それらを正しく回避することもできるのです。
ここで理解できることは、以下の4点です。
- 著作権の基本
- WEBサイト制作での著作権について
- WEBサイトの著作権はどこにあるの?
- 著作権の譲渡について
まずは、「著作権の基本」からおさえていきましょう。
著作権の基本
「著作権」には2つの種類があります。
1つ目は、「著作権(財産権)」です。
これは、他人に譲渡が可能な権利です。
「著作権」をとても簡単に説明するなら、「著作物を作った人の権利」になります。
著作権法第2条第1項第1号より「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう」とあります。
一言に「著作物」といっても範囲がとても広く、多岐に亘り著作権が適応されるのです。
たとえば私たちが普段よく聞いている音楽や、小さな頃から読んでいる漫画、隙間時間に読む小説、リラックスタイムに楽しむ動画なども全てに著作権が適応されています。
これまで紹介してきた内容を考えてみると、「ほとんどのものが著作物」であるかのような気持ちになりますが、もちろん著作物に該当しないものもあります。
たとえば、「アイデア」などは具体的な形ではないので、著作権が発生することもありません。
また、工業製品など身の回りにありふれたものなどは、その物自体は著作権の概要に属さないので、該当しないと言えるでしょう。
2つ目は「著作者人格権」です。
これは、著作権を有する人物の人格を保護する権利になり、譲渡ができません。
つまり、「著作者人格権」は創作した内容を変えられることないよう、保護することにも繋がる権利になります。
WEBサイト制作での著作権について
WEBサイト(Web作成)の場合、要素ごと著作権によって保護される範囲かどうかが変わってきます。
たとえば、WEBサイト作成によるデザインやソースコードが著作権に該当するかどうか判断しにくいところです。
一方、テキスト・文章やイラスト、写真などの画像に関しては著作権として認められる可能性があります。
WEBサイトのデザインに関して言えば、著作権として認められる可能性は低く、最終的な判断はケースごとに裁判所から判断してもらうしかありません。
WEBサイトの著作権はどこにあるの?
WEBサイトの著作権は、当然、制作した側に付与されます。
しかし、出来上がったWEBサイトを自分の扱いやすいように自由にカスタマイズすることはできないのかといえば、そうではありません。
以下に詳しく説明いたしますが、それは「著作権時の譲渡」が可能だからです。
著作権の譲渡について
著作権の譲渡は可能です。
もちろん、Web制作会社に依頼をしたときに、契約書に「著作者人格権不行使条項」と「著作権譲渡条項」を適切な形式で入れておくと、Web制作会社が作成したWEBサイトを自由にカスタマイズし、運営していくことができます。
WEBサイトの中で著作権が発生するものは?
では、ここでどのようなものが著作物に該当するのか、もう一度おさらいしておきましょう。
【著作物に該当するもの】
- 画像
- 文章
- 音楽
- 動画 など
【著作物に該当するか判断が難しい】
- ソースコード
- キャッチコピー など
それぞれについて、詳しく解説していきます。
画像
WEBサイトに画像を挿入したいときに、「フリー画像」「フリー素材」を選んでいませんか?
そのままその素材や画像を使用するなら問題はありませんが、その画像を「切り抜く」「文字を加える」などといったことは、著作権の侵害に該当してしまうケースがあります。
つまり、いくら「フリー素材」であっても著作権フリーと言うわけではないと言うことです。
「著作権フリー」とは、「著作権の保護期間が過ぎている作品である」ことや、「著作権が放棄された作品」を指していますので、「フリー素材」と「著作権フリー」では全く意味が異なってきます。
「フリー素材」といっても、無条件に素材を使っていいというわけではなく、きちんとした利用規約があります。
その条件には、著作権を侵害しない「素材を加工せずそのまま使用すること」なども含まれています。
また、料金を支払い素材を使用する場合、料金の支払い後にライセンスを取得し、素材を使用することができるようになります。
この場合も、あなたの使用したい画像が「著作権フリー」かどうかは支払い元の規約内容を確認しておくことが大切です。
文章
文章の場合も著作物に属します。
たとえば、自分自身でWEBサイトの文章を作成していれば、当然あなた自身に著作権がありますが、手間を省くために外注した場合、文章を作成したWeb作成会社に著作権があることになります。
これまでに何度もお伝えしていますように、作成した元が著作権を所有することになりますので、たとえこちら側がお金を支払い、依頼をしていたとしても、著作権は作成元にあることになります。
そのため、外注した際にはWeb制作会社と、どのような著作権に関する契約書の取り決めを行なったかにもよりますが、納品後にWEBサイトを勝手に操作することはできないのです。
音楽
サイト内で流れるBGMや楽曲、また歌詞付きメロディーなど、これらも著作物に該当しますので、あなたのWEBサイト上で勝手に使用することができません。
また歌詞付きメロディーの場合、メロディーと歌詞の双方に著作権が発生してしまいますので、どちらかに許可をもらうだけでは使用は認められないのです。
たとえフリーの音源サイトであっても、「効果音などの短い音でも著作物に該当する」可能性が高いと言えます。
さらに、これらも著作権が制作した側に権利がありますので、外注先にBGMの依頼をした場合、外注先が著作権を持つことになります。
有名な楽曲や、あなたの好きな歌手の曲をWEBサイトで使用したい場合、??日本音楽著作権協会など音楽著作権管理団体へ著作権保有者へ申請が必要になってくることがありますので、どこに著作権があるのか確認しておく必要があるでしょう。
ソースコード
ソースコードに関して言えば、著作権に当たる可能性が低いと言えます。
なぜなら、HTMLなどのように、誰が作成しても同じようなソースコードが出来上がってしまうことも多いからです。
このようなことからも、ソースコードの著作権を気にする必要はないと言えるでしょう。
キャッチコピー
キャッチコピーやスローガンの場合、それらに強い印象を持ったとしても著作物として認められる可能性は低いでしょう。
その理由として、挨拶などの短い文やスローガンなどは同じような業種によって似たような表現がなされることもあり、それらが「思想または感情を、創作的に表現したもの」に当たるかどうかは判断しにくいため、著作物として扱われないことが多いのです。
しかし、短歌や俳句などの短い文章に関して言えば著作権の「思想または感情を、創作的に表現したもの」に該当することもありますので、短文と言ってもあくまでキャッチコピーやスローガンといったものの範囲内で著作物に属する可能性が低いと言えそうです。
著作権を侵害しないための注意点
では、実際に著作権の侵害を行わないための対策をいくつか紹介していきます。
ポイントとなるのは、
- フリー素材を使用する
- ライセンス契約の締結
- 著作権譲渡契約の締結
- 契約書に「著作者人格権不行使条項」を入れる
の4点になります。
これらの点に気をつけて、外注する際に著作権を侵害しない行動を心がけていきましょう。
フリー素材を使用する
著作権が気になる方は、フリー素材を使用するのもおすすめです。
もっとも、当然のことですが、利用規約を確認しておく必要があります。
商用利用可能なのか、また画像を利用するにあたり「画像配信元記載」「画像の所有者の情報を記載する」などといった条件がないか確認しておきましょう。
またフリ??-素材と謳っていても、いざ蓋を開けてみるとそれぞれの作品の著作権は製作者に任せているケースもありますので、そのサイトがどのような規定で運営しているのか確認が必要です。
「著作権フリー」の場合、「著作権のどの部分が著作権フリー」なのか分かりにくいことがあります。
使用料がかからないケースもありますが、自由にフリー素材を使用していいケースもあり、幅広い規定により、著作権がどのような扱いにされているのか不明なことがあります。
ライセンス契約の締結
ライセンス契約とは、「利用許諾契約」と呼ばれるもので、その名の通り著作権の利用許可を貰えば著作権を気にすることなく作品を利用することができます。
利用料金の支払いや、使用時の条件などがあるケースも多いので、利用規約を確認しておきましょう。
また、ライセンス契約を締結するときに細かな規定が示された条項を盛り込めば、トラブルの防止になるのでおすすめです。
著作権譲渡契約の締結
WEBサイトの制作を外注する際に、必ず「著作権譲渡契約」を結ぶ必要があります。
これを行わなければ、著作権は制作者側にあることになってしまいます。
契約書は依頼者側と制作者側のどちらが用意しても構いません。
「著作権譲渡契約書」を結んでおくことは、今後あなたが自由に使いやすいWEBサイトにカスタマイズできるように準備しておくためにも、とても重要なことです。
契約書に「著作者人格権不行使条項」を入れる
また、契約書を制作する際に、必ず「著作者人格権不行使条項」を適切な形で記載しておく必要があります。
この項目がなければ、出来上がったWEBサイトに対して手を加えることができません。
「著作権譲渡契約」と「著作者人格権不行使条項」はセットにして契約書を作成することで、よりあなたの理想的なWEBサイトにカスタマイズできるようになるのです。
WEBサイト制作を外注する場合に知っておきたいこと
ここからは、著作権に関してWEBサイト制作会社に依頼するにあたり、気を付けたいことを紹介していきます。
ぜひ、外注時の参考にしてください。
「著作権譲渡契約」を結ぶ
あなたがWEBサイトの作成を依頼するときは、必ず「著作権譲渡契約」を結ぶことをおすすめします。
また、これに加え「著作者人格権不行使条項」を入れることで、外注したWEBサイトをあなたの理想的なサイトへと好きなようにカスタマイズできるからです。
何度もお伝えしていますように、「著作権譲渡契約」は、著作物を外注した会社からあなたへと権利を受け渡すことです。
またその内容に、必ず「著作者人格権不行使条項」を適切な形で記載しておかなければ、完成したWEBサイトをあなたの好きなように変えることができません。
そのために、「著作権譲渡契約」に「著作者人格権不行使条項」を入れておくことがポイントとなります。
外注先がフリー素材を利用している場合
WEBサイトの作成に、フリー素材を使用しているWeb制作会社なら、どこのフリー素材を使用しているのかに加え、利用規約などの確認をしているのか、などを聞いておきましょう。
商用利用ができても、細かな規定やルールなどを理解していなければ、いくら著作権譲渡契約を結んだとしても、著作権の責任を追わなければならない可能性があるからです。
「お客様からお金をいただき、お仕事としてWeb制作をしている会社なので、このような著作権などにも詳しいはず」などと思っていると、意外な落とし穴にハマってしまうこともありますので、念の為、Web制作会社に確認しておきましょう。
万が一著作権を侵害してしまった場合
あってはならないことですが、あなたのサイトが著作権侵害をしてしまったケースについて、いくつか紹介していきます。
まずは慌てず、一つずつ対処をしていきましょう。
自身で著作権侵害していることに気づいた場合
あなたのWEBサイトが著作権侵害を行っていることに気づいたら、事実確認を行いましょう。
いつから、どの部分が、どのように著作権侵害に該当するのかきちんと分析しなければなりません。
そこでまず、できるだけ早く著作権侵害を行っているページを削除、または非表示にします。
次に著作元の確認を行い、できるだけ速やかに著作権者から使用許可をいただくべきです。
そこの交渉がうまくいけば、これまで通りあなたのお気に入りのWEBサイトを使い続けることができるからです。
著作権元から指摘された場合
「すぐに掲載をやめてほしい」「利用料を支払ってください」などと、著作者側から言われてしまった場合、落ち着いて対処をしていきましょう。
また、このまま放置してしまえば著作権侵害期間も長くなり、相手の被害が拡大してしまうばかりか、著作権の侵害から刑事告訴されてしまうことも考えられます。
できるだけ速やかな対応を心がけるようにしましょう。
WEBサイト制作にかかる著作権をよく理解し、快適に使用できる取り決めを
「世界中のコミュニケーションをクラウドで最適に」することをミッションとして掲げ、2000社以上の法人向けのデジタルコミュニケーションとデジタルマーケティング領域のクラウドサービスの開発提供を行う防災先進県静岡の企業。1977年創業後、インターネット黎明期の1998年にドメイン取得し中堅大手企業向けにインターネットビジネスを拡大。”人と人とのコミュニケーションをデザインする”ためのテクノロジーを通じて、安心安全で快適な『心地良い』ソリューションを提供している。
- 事業内容
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